2012年12月14日金曜日

正倉院の針と七夕

ある発掘報告書に参考資料で掲載されていた、正倉院の長さ35㎝()の銅針に驚いた。(長短二系あり、19,5㎝の銀針、鉄針も、包み紙と共に伝世。)
平安期の七夕の儀式、乞巧奠(きこうでん)で使われたそう。ふたつの星の逢瀬を眺めつつ、女性たちは織女にあやかって裁縫の上達を祈願したとか。平安期、約400年のなかで形態は変わったものの、針に五色 の糸を通し、酒や肴を供えたそうで、神饌や祭壇についても、さまざまな文献に記録が残っているもよう。


針一本から考古学と神道の世界が結びつく。日本人の願いや風習、営みにかかわるのだから当然だけれど、一種の謎解き?に似た感動がある。 正倉院の針は、奈良国立博物館蔵。観にいきたいなあー。

写真:『2012 板橋区志村城山遺跡第5地点 発掘調査報告書』(日電産コパル株式会社、共和開発株式会社)

 

0 件のコメント:

コメントを投稿