2013年3月11日月曜日

宮本輝『草原の椅子』

宮本輝『草原の椅子』、一気に読了。両親に捨てられた5歳の少年と彼をめぐる中年男女3人の再生の物語。タクラマカン砂漠で少年が一歩を踏み出す描写に、電車の中で涙腺が緩んでしまった。
心根の綺麗な、子どもに生き方を示せる、ほんとうの「大人」に、自分は程遠いなーと考えてしまった。世を憂うよりもわが身を、と思わせる。久々に心にまっすぐ届く小説を読みました。
(高村薫『李欧』もそうだけれど、桃源郷のような異国、再生ものがたりに弱い…。)

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