2013年7月13日土曜日

『海と大陸』

アルテリオ・シネマで、『海と大陸』を観てきた。
予告編の海の美しさに魅かれて観たのだけど…、地中海のイメージが変わった。シチリア島南方のペラージェ諸島。観光業と漁業のなかで揺れる島民、そこでの難民問題の根深さ複雑さが描かれる。映像とストーリーの光と影が、美しくも重くて。人々の無関心、世の矛盾、島の規則と良心との葛藤…。難民の母子をかくまった青年は、そんな島を覆う閉塞感を突破するように大陸へと船を出す。青年の成長する姿に重ねて、難民問題についての強いメッセージが込められている。母親サラ役を演じているのは、実際、この諸島に流れ着いた難民の女性で、悲しみを湛えつつ、生きる意志に満ちた目と、凛とした立 ち姿が印象的。濃縮された90分。

http://www.crest-inter.co.jp/umitotairiku/

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