2014年8月20日水曜日

2014年8月6日水曜日

原民喜『夏の花』


原民喜『夏の花』を読む。
美しく淡々とした文体のなかに、人間の壮絶な苦しみが凝縮されている。苦しみ亡くなった人たちの声。置き去りにする流れに抗して、いつまでも立ち止まっ て、耳を傾けることを選ぼう、と思った。原民喜は、広島での被爆経験の年内に『夏の花』を執筆した。「今、ふと己が生きていることと、その意味が、はっと 私を弾いた。このことを書きのこさねばならない、と、私は心に呟いた」。この一
篇に宿るもの託されたものを受けとめて、生き方として考えよう。





2014年6月30日月曜日

V.E.フランクル『夜と霧』

 最近、V.E.フランクル『夜と霧』(霜山徳爾訳)を読了した。ユダヤ人心理学者による強制収容所での体験記録。貴重な記録であるとともに、生き方に示唆 を与えてくれる一冊。収容から解放までの日々と、囚人としての自分と仲間たちの心理状況を観察、分析し詳細に描写している。
 
―心身の痛みで極限状態のなか、冗談を言い合い、一日一切れのパンの食べ方に頭を悩ませ、生きぬくためのあらゆる工夫を重ねる。過度の疲労の中、愛する 人の像を想い声を聞く。そんな彼らの思考と心理を、素朴でリアルに記述しているので、その一瞬一瞬に近づき、気持ちが重なっていく。彼らと私が何ら変わら ぬ人間であることが感じられる。

 そして同時に、アウシュビッツの悲惨さを戦争や歴史を、まだまだ言葉や映像や数字だけで捉えていることに気づく。過去も現在も苦しみの中にいる多くの人々は当然ながら、我々と同じ心理と肉体と日常生活とを持ったひとりひとりであるということ。

 フランクルは、どんなに人間性が損なわれる状況においても、人生そのもの、「今」という瞬間は意味を持つと教える。人間であることをやめず、内的自由を持つ という決断がいかに生き残る力を与えたか(アウシュビッツではいかに困難な決断であったか)。囚人の仲間たちにも語り励ます場面があったが、読んでいる私 にも生き方の指針と、生き延びることの重さを教えてくれた。心理学が人間の生の地平、生き方の問題にも深く触れてくるということも、私にとって発見だっ た。


霜山徳爾訳の旧版は、70ページほどの強制収容所の詳細な解説と、写真図版を収録している。






http://ecx.images-amazon.com/images/I/519K62XTQHL._SX317_BO1,204,203,200_.jpg


































2014年4月15日火曜日

『弥生 vol.2』

弥生神社社報 『弥生 vol.2』

早いところお宮のHPを新しくしてアップできるようにしなくては。内容もデザインもまだまだ試行錯誤の社報、第2号。作り続けることが学びになるかな、と思います。

蚕影神社のルーツ
ラフカディオ・ハーンと神道のこと、
祝島「神舞神事」
図書紹介
シリーズ祭祀遺跡

…は、次号(以降)も継続したいです。 
ちなみに編集後記が長くなったのは、vol.1での「権禰宜日誌」と合体してしまった感じです。