2012年10月19日金曜日

船田玉樹展

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「花の夕」 (1938)四曲一隻屏風180.0×359.3cm


9月2日、練馬区美術館で開催された、「生誕100年 船田玉樹 ―異端にして正統、孤高の画人生。―」展を観てきた。

   
*船田 玉樹 (1912~1991)は、広島県呉市に生まれ、広島洋画研究所で油彩画を学んだのち、速水御舟に入門、その後、小林古径に師事。 東洋の古典をもとに、シュルレアリスムの手法も取り入れ、多彩な作品を展開した。 

名も知らぬ画家であったけれど、私をよく知る陶芸家の友人に強く勧められ、どうしても行きたくなって足を運んだ。日本画の展でこれほど興味深く、感動したのは初めてかもしれない。展示室に一歩入った瞬間、巨大な屏風に描かれた満開の花に圧倒される。

枝が無数に伸びた桜や松の画は、試行錯誤を重ねた構図と独特な視点で描かれ、その繊細さと美しさに溜息が出る。一面の紅葉の画は、美しい赤のオーラをもわもわと発していた。植物や風景がみな霊性を帯びているようで、描き出された世界に吸い込まれ、しばし呆然となった。油彩画だけではない。小さなガラス絵やコラージュ作品の、色彩とかたちのセンスにときめき、魅せられる。

「もっと真裸になつて、泥まみれになり、のたうちまわつてよいのではないか。
どんなにしても君のものはなくならない。そうすることで生長するのだ。」

師である速水御舟の言葉にぐっときた。彼の一連の作品に通底する深み、激しさ、もがき、泥臭さと重なってるような気がした。そして、私自身の、どんなにしてもなくならないものってあるだろうか、何だろうかと思ったり。

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