新宿のコニカミノルタで開催中の、野田雅也さんの写真展「Rebuild 大槌造船記」を観てきた。震災から一か月足らずで動き始めた船大工さんたちの姿を追った写真展。
震災後の4月から時系列に写真が並び、キャプションには日時だけが刻まれている。時の経過とともに彼らの表情が明るく活気を帯びていくような気がした。大きな船に向かう、手足のずっしりとした踏ん張りと、豊かな表情。タバコをふかし笑いあう、弁当を食べる「日常」のひとコマひとコマ。男性たちの労働の姿は、肉体と道具さえあればといった自信と、仕事への誇りに満ち、失われたものや瓦礫を背景に押しやって、圧倒的な存在感だった。
素人でも興味深く観れる(!)完璧な構図と、印象的な色彩のコントラスト(淡い墨絵のような山海や全体の無彩色と、船の塗料やレールの錆の鮮烈な赤!)。それゆえ、映画のワンカットのようでもあり、またその奥に、厳しく悲しい現実のストーリーが感じられて、胸の奥まで迫ってきた。
そして、トーンが変わり、静謐さが漂う最後の二枚。花咲く桜の木の下に立つ若い船大工。こちらを見つめるたった一枚の写真である。存在だけで何かを語っているような。そして、海に向かって手を合わせる男性の姿を静かにとらえた最後の一枚に、祈るような気持になった。
現場の音が聞こえてくる写真群。31日まで。必見です。
(会場でお会いした野田さん御本人や山本宗輔さんにエネルギーをいただいた。迷うなら動いた方がいい。信頼できる方々とのちょっとした会話や交流だけで、次に進む勇気がもらえたりする。)
2012年10月19日金曜日
船田玉樹展
| 「花の夕」 (1938)四曲一隻屏風180.0×359.3cm |
9月2日、練馬区美術館で開催された、「生誕100年 船田玉樹 ―異端にして正統、孤高の画人生。―」展を観てきた。
*船田 玉樹 (1912~1991)は、広島県呉市に生まれ、広島洋画研究所で油彩画を学んだのち、速水御舟に入門、その後、小林古径に師事。 東洋の古典をもとに、シュルレアリスムの手法も取り入れ、多彩な作品を展開した。
名も知らぬ画家であったけれど、私をよく知る陶芸家の友人に強く勧められ、どうしても行きたくなって足を運んだ。日本画の展でこれほど興味深く、感動したのは初めてかもしれない。展示室に一歩入った瞬間、巨大な屏風に描かれた満開の花に圧倒される。
枝が無数に伸びた桜や松の画は、試行錯誤を重ねた構図と独特な視点で描かれ、その繊細さと美しさに溜息が出る。一面の紅葉の画は、美しい赤のオーラをもわもわと発していた。植物や風景がみな霊性を帯びているようで、描き出された世界に吸い込まれ、しばし呆然となった。油彩画だけではない。小さなガラス絵やコラージュ作品の、色彩とかたちのセンスにときめき、魅せられる。
「もっと真裸になつて、泥まみれになり、のたうちまわつてよいのではないか。
どんなにしても君のものはなくならない。そうすることで生長するのだ。」
師である速水御舟の言葉にぐっときた。彼の一連の作品に通底する深み、激しさ、もがき、泥臭さと重なってるような気がした。そして、私自身の、どんなにしてもなくならないものってあるだろうか、何だろうかと思ったり。
「もっと真裸になつて、泥まみれになり、のたうちまわつてよいのではないか。
どんなにしても君のものはなくならない。そうすることで生長するのだ。」
師である速水御舟の言葉にぐっときた。彼の一連の作品に通底する深み、激しさ、もがき、泥臭さと重なってるような気がした。そして、私自身の、どんなにしてもなくならないものってあるだろうか、何だろうかと思ったり。
2012年10月15日月曜日
厳島神社の能舞台、そして陶片
| 江戸時代、1605年に福島正則が常設の能舞台を寄進。国の重要文化財。 |
8月18日、強い日差しの中、朝のフェリーで宮島へと向かう。
島の店はまだ閉まっていて、厳島神社の境内や、満ち潮の浜をただ歩いた。宮島に来るたびに、20代の初めに祖母と訪れたときのことを思い出す。あれから10年以上経った今でも、牡蠣うどんを食べた店、珈琲を飲んだ店が変わらずにある。宝物館を通れば、「平家納経」がレプリカで、悔しがる私に、「平家納経」の絵葉書セットを買ってくれたことを思い出す。
島の店はまだ閉まっていて、厳島神社の境内や、満ち潮の浜をただ歩いた。宮島に来るたびに、20代の初めに祖母と訪れたときのことを思い出す。あれから10年以上経った今でも、牡蠣うどんを食べた店、珈琲を飲んだ店が変わらずにある。宝物館を通れば、「平家納経」がレプリカで、悔しがる私に、「平家納経」の絵葉書セットを買ってくれたことを思い出す。
そして、国内で唯一、海に浮かぶ厳島神社の能舞台―。能の舞台に立ち、謡の先生でもあった祖母が、一度は見てみたいと言っていた。ここでの薪能はどれほど神秘的だろうかと想像してみる。篝火の映る海と、山々そんな背景をも取り込んだ能の世界―。
そして、陶片。ほんの2時間程度探しただけで満足の収穫。潮が引くまで待てば、もっと拾えたはず。主に江戸期のものと思われる。中国陶磁も拾えるそうだから、また必ず行かなくては。
そして、陶片。ほんの2時間程度探しただけで満足の収穫。潮が引くまで待てば、もっと拾えたはず。主に江戸期のものと思われる。中国陶磁も拾えるそうだから、また必ず行かなくては。
2012年9月19日水曜日
岩手県宮古市から釜石市へ
大杉神社の例祭に参列、そして岩手県宮古市から釜石市にあるお宮を参拝。神職さんはじめ現地の方々にお話を伺った。車窓から時折見える美しい海―。山田町の男性が、「漁師でないけれど海から離れられない。津波に襲われても。ひと月離れると潮の匂いが恋しくなる。」と言った、その言葉を思い出し、はっとした。「祭りが
あるから皆が帰ってくる」。日常、見失ってしまう土地の自然と人々と生活、神社、祭り…すべてのつながりを思った。
関口神社、大杉神社、鵜住神社、常楽寺、小槌神社、横山八幡宮を参拝。
関口神社、大杉神社、鵜住神社、常楽寺、小槌神社、横山八幡宮を参拝。
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| 山田町関口神社奥社。関口神社から塗装されていない渓流 |
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| 大杉神社例祭。獅子舞、関口剣舞…この日も賑やかな舞が |
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| 大杉神社を後ろから見る。 |
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| 鵜住居町へ。常楽寺跡。崩れた本殿とそこに流れ着いた瓦 |
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| 鵜住神社。階段上、境内から見おろすと、津波により建物 |
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| 小槌神社にて。境内には火事による焼け跡が少し残ってい |
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| 宮古駅近くの横山八幡宮。震災時、多くの方が拝殿、神饌 |
2012年9月12日水曜日
「親鸞フォーラム」
「親鸞フォーラム」に参加。
2時間という短時間だったけれど、教育現場や地域社会、「秋葉原事件」などの現実問題から、子供たちや若い世代の抱える「生きにくさ」―その一点から、とことん深く掘り下げた議論だった。
日本の社会・教育現場の「異常さ」は、自殺率だけでなく、青少年の「孤独意識」率…そのほかの統計やヨーロッパの教育法との比較から、くっきりと浮き彫り になる。で、従来型の政治や教育の原理、やり方ではもう、社会の歪みや人間の痛みをなくす方向にはいかない。…そして、中島さんも尾木さんも様々に今後を 語る中で、宗教の可能性にも言及。
仏教には、人間や社会の危機的状況に風穴を開けるような世界観や言葉がある。神道にも可能性がきっとある。
追記メモ
政治経済、競争や効率性、能力の優越、世の中のそんな次元を超えたところに宗教はあって、存在そのものを問題にする。教えてくれる。だから、人「材」として 否定されたり、社会の中でどんなに自分の何かが削ぎ落とされても、自分そのもの他人そのものはなくならないし、尊いと気づく。そして、存在そのものは世界や自然との関係性の中にあることを知る。
2時間という短時間だったけれど、教育現場や地域社会、「秋葉原事件」などの現実問題から、子供たちや若い世代の抱える「生きにくさ」―その一点から、とことん深く掘り下げた議論だった。
日本の社会・教育現場の「異常さ」は、自殺率だけでなく、青少年の「孤独意識」率…そのほかの統計やヨーロッパの教育法との比較から、くっきりと浮き彫り になる。で、従来型の政治や教育の原理、やり方ではもう、社会の歪みや人間の痛みをなくす方向にはいかない。…そして、中島さんも尾木さんも様々に今後を 語る中で、宗教の可能性にも言及。
仏教には、人間や社会の危機的状況に風穴を開けるような世界観や言葉がある。神道にも可能性がきっとある。
追記メモ
政治経済、競争や効率性、能力の優越、世の中のそんな次元を超えたところに宗教はあって、存在そのものを問題にする。教えてくれる。だから、人「材」として 否定されたり、社会の中でどんなに自分の何かが削ぎ落とされても、自分そのもの他人そのものはなくならないし、尊いと気づく。そして、存在そのものは世界や自然との関係性の中にあることを知る。
2012年9月2日日曜日
ボランティアグッズ
瓦礫処理のボランティアのための必需品。急遽、2日間でそろえた。
①安全(長)靴:セーフティーブーツ
ホームセンター(島忠)で購入。3980円。1000~2000円台もネット上ではあるが、島忠では最安の製品。
爪先保護先芯あり。、靴底も鋼鉄入りのガラス片、釘などを通しにくい強度があり。(同社の製品で足甲安全靴もあり)(ミドリ安全株式会社)。どの種類もたいてい24.5cmからしかない…。
AMAZONで検索すると、値段もタイプもピンキリ。瓦礫処理などの作業では、長靴タイプがベストだそう。AMAZONといえども、安全靴に限っては、注文から配達まで4~5日はかかるもよう。
新宿の東急ハンズ6Fのボランティアグッズコーナーにも、安全長靴ありとのこと。でもやっぱり、小さいサイズは無し。(2012.9.2現在)
②セーフティーインソール(踏み抜き防止用)
ステンレス板使用。当初、長靴(レインブーツ)に入れて安全靴にしようと思い立ち、AMAZONで購入。23センチのみ、1200円(他のサイズは1500円)。爪先、上部が保護されないのが難!?私は上記の安全靴がゆるゆるなので、本製品をさらに入れて履くことにした。
③防塵マスク
5枚入りで864円。「3Mフィルターマスク」こちらもアマゾンにて。
④防塵ゴーグル
1023円。山本光学株式会社の製品。男女兼用。私でもぴっちりフィットします。マスク、ゴーグルともに多種、販売されている。
⑤ゴム手袋
写真にはないけれど、強度のあるゴム手袋。ホームセンターにも多種、販売している。
以上のグッズの使い勝手はどうか、ほかに「あったらいいな」があれば、状況によりけりだとは思いますが、活動後に報告します。
①安全(長)靴:セーフティーブーツ
ホームセンター(島忠)で購入。3980円。1000~2000円台もネット上ではあるが、島忠では最安の製品。
爪先保護先芯あり。、靴底も鋼鉄入りのガラス片、釘などを通しにくい強度があり。(同社の製品で足甲安全靴もあり)(ミドリ安全株式会社)。どの種類もたいてい24.5cmからしかない…。
AMAZONで検索すると、値段もタイプもピンキリ。瓦礫処理などの作業では、長靴タイプがベストだそう。AMAZONといえども、安全靴に限っては、注文から配達まで4~5日はかかるもよう。
新宿の東急ハンズ6Fのボランティアグッズコーナーにも、安全長靴ありとのこと。でもやっぱり、小さいサイズは無し。(2012.9.2現在)
②セーフティーインソール(踏み抜き防止用)
ステンレス板使用。当初、長靴(レインブーツ)に入れて安全靴にしようと思い立ち、AMAZONで購入。23センチのみ、1200円(他のサイズは1500円)。爪先、上部が保護されないのが難!?私は上記の安全靴がゆるゆるなので、本製品をさらに入れて履くことにした。
③防塵マスク
5枚入りで864円。「3Mフィルターマスク」こちらもアマゾンにて。
④防塵ゴーグル
1023円。山本光学株式会社の製品。男女兼用。私でもぴっちりフィットします。マスク、ゴーグルともに多種、販売されている。
⑤ゴム手袋
写真にはないけれど、強度のあるゴム手袋。ホームセンターにも多種、販売している。
以上のグッズの使い勝手はどうか、ほかに「あったらいいな」があれば、状況によりけりだとは思いますが、活動後に報告します。
2012年8月19日日曜日
旧満州 公主嶺神社 (追記)
戦前、私の先祖が奉仕していた、旧満州の公主嶺神社。神奈川大学の海外神社(跡地)に関するデータベースに写真が載っていた。今、この地に行っても、当時の神社を知る手がかりは何もないのだろうと、跡地の写真を見ながら思う。
3年前に書いた「公主嶺神社」についての記事に、コメントをいただいていたのを、今さら発見した。池田宮司の後に就かれた、森安忠宮司様の御子孫の方だった。宮司様はその後、広島の厳島神社などでご活躍されたとのこと。気がかりだったのでとてもうれしく拝読した。
とても失礼なことをしてしまった。あらためて返信を書いたのだけれど、お読みいただけたらと願うばかり。
3年前に書いた「公主嶺神社」についての記事に、コメントをいただいていたのを、今さら発見した。池田宮司の後に就かれた、森安忠宮司様の御子孫の方だった。宮司様はその後、広島の厳島神社などでご活躍されたとのこと。気がかりだったのでとてもうれしく拝読した。
とても失礼なことをしてしまった。あらためて返信を書いたのだけれど、お読みいただけたらと願うばかり。
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