2009年5月24日日曜日

Newsweek「オバマ、オバマを語る」

オバマ大統領のインタビューを特集していたので、Newsweekを購入。
意見が異なる人との対話や議論を重視する姿勢と、政治家としての慎重さや態度の徹底した強さを感じた。

「国民にも複雑な問題に対する難しい説明を聞く用意がある」という言葉にも表れている通り、相手を尊重し、言葉を重ねて信頼関係を築こうとする地道な努力の姿勢は学ぶべきだと思った。

「最終的に合意が得られなくても、いかに問題に取り組み、どのように決定を下しているかを知ってもらい、私が相手の立場を理解し~議論できることを知ってもらう。意思決定のプロセスには、こういうことが必要だ、自分の声を聞いてもらえたと実感できれば、妙にドクマ的な対応はしなくなるだろう。」

日頃、私自身怠けている場が多い気がする。異なる意見を持つ相手に対して、丁寧な説明を疎むということは、相手との最低限の信頼関係を築けない。さらには自分の意見をみずから価値あるものと認識していないことにもなるだろう。

とくに自分の意見が現実化する際には、説明能力はなくてはならないだろう。信頼関係がなくては実際、有効に機能していかない。仕事では、他人の意見のもとで私は働いているが、そのような説明不足の場面を思い返すと、思い当たるふしが多く現実味が増す。

イランへの政策については、「イスラム革命を維持しつつ国際社会の善き一員となり、周辺国に脅威を与えない存在になる」よう働きかける、だが楽観視するほど自分は甘くない。政策は、具体的な成果がなくても交渉に努めたという事実が残り、国際社会でのアメリカの立場は強化され、アメリカの制裁の犠牲者だという言い訳は通じなくなる。

ここからも対話を積み重ねる、そのプロセスが大事だという彼の考え方が見えてくる。それが結局、結果の後の状況に反映されていくということだ。

大統領になってからのマイペースな生活サイクルも興味深かった。12時~12時30には眠り(遅くなる日はあるようだが)、8時30から18時30くらいまで仕事、家族で夕食、子供と遊ぶ、朝には運動、夜30分は小説を読む。自分のペースを守るある種の強さがあるからこそ、信念に基づく意見で周りを動かし、国を動かす権力とその影響力を「楽しむ」という器の大きさがあるのだと思った。

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