2009年5月7日木曜日

春の御馳走

2月に撮影。春の日差しにヒラメ。3~4時間、日差しに当てるだけで栄養価と旨みが増す。下はキス。虫がたかるかと思ったが春先は来ない。だがベランダに化粧水用の柑橘果物の皮を干しておくと、鳥が寄ってくる。






こちらも2月、神社で採れたフキノトウ。父が持ってきてくれた。小麦粉を水で溶たなかに混ぜ、薄く伸ばしてフライパンで焼くだけ。あとは極薄味でさっと煮たり、刻んでとろろ芋に混ぜたりして食べる。

数年前の5月、新潟県の秋山郷で雪溶けの中、鹿に見られながら夢中でフキノトウを採ったことを思い出した。伸びてしまったフキノトウの茎は煮たり炒めたりして美味しくいただけることを宿のおばさんに教わった。山を生活圏にして暮らす人たちがもつ植物の知識の豊富さにはいつも驚く。

一昨年に「田舎の学校」の企画で参加した、長野県原村での山菜採りでは、タラノメやゼンマイのほかホトケノザをはじめ食べたことのない多種多様な山菜の採り方と調理法を学んだ。生の葉を刻んで御飯に混ぜるだけで爽やかな混ぜ御飯になったり。原村での企画には茸狩りもあって、初めて見るタマゴダケなども村の人たちは全て常食にしていた。

そんな植物を発見して食していた先祖にも感心するが、現在でも当然のようにこれらの野草が食卓に並ぶのだから、都市圏に住む私達がいかに与えられた、限定されたものしか食べていないことに気づかされる。せめて身の周りにある山菜の採集や調理法くらい習得したい。春先の採集は芽吹いたころの植物を採るのだから究極の贅沢だ。命の誕生やその循環をこの季節に実感するんだろう。室内や室内とほぼ変わらない街中にいる時間の方が多い私は、そんな時間の流れには鈍感になっているだろう。

遺跡発掘作業をしている建物周辺にも、毎年ツクシが山のように採れるので休憩時や帰宅時に採集する。だが開発中の地域なので、昨年はツクシの採集場にしていた空き地や土手も工事が始まり、さら地になってしまった場所が多い。こんな風にして日本人の食生活も変化したのだろうと思う。ちなみに職場近くは丹沢山系の麓に位置し、近くの川ではクレソンやセリが採れるらしい。身近にもまだそんな場所が残っている。

5月、筍の季節。近くの産直で購入あるいは近所の人に頂いた筍を、栽培した山椒の葉をのせていただく。職場近くの田園地帯にこのところ鷺をよくみる。田植えの季節、田が眠りから覚める。夏秋を通して稲の彩りや風景の変化を楽しむ。始まりの季節がやってきた。

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