2009年6月6日土曜日

クラフトフェア まつもと



5月30~31日まで、松本市の「あがたの森」で開催の「クラフトフェア まつもと」に行ってきた。全国から審査に通った出品者が集まり、雨の中多くのテントが張られていた。応募も殺到するらしく今年は1250組も来たらしい。出品者名簿を見ると300組近くが出品していた。驚いたのが来場者の数である。公園前の道路は向かう人の列になっているし、テント内は所狭しと人がいた。

臨時バスの運行や松本駅の横断幕など、街のあちこちでクラフトフェアへの協力体制がみられる。NPO法人松本クラフト推進協会が主催。これほどの人の入りでも資金難らしく、支援金の呼びかけが切実だった。





陶芸家谷口さんの作品群。実用品が多い中、磁器のオブジェ。目立たない場所で雨ざらしになっていたにもかかわらず、立ち止まり手にとって興味深く眺める人が多くいた。設置等の手伝いができたのだが、出品者サイドを少し味わえる楽しい経験だった。



























私が購入した谷口作品。




写真はガラス、陶器の作品ばかりになってしまったが、自作の米や農作物からの加工食品や紙・布・木・皮革製品とあらゆる品が並んでいた。ガラス、金属製品や飴細工などの実演まであった。日常品にしては高額だが、製品はどのテントでもよく売れていた。手仕事品=稀少品、高級品という単純なことではなく、様々な面で値段相応に思う。

また、このような作品の作家達は、市場に出す場が少ない。このフェアは、表現者と購入したい人とを結ぶ場として、成功している良い例なのだろう。

来場者は、男女を問わず30代から5、60代までが多いようだった。年配の男性のいでたちから各テントの雰囲気に至るまで、泥臭さがなくシンプルでお洒落で洗練されているのを感じた。現代的な「手仕事」のひとつの領域がもつ雰囲気なのかもしれない。

100円ショップも街に溢れる一方で、このような場や、ブランドショップ、中古屋、オークションまで、個人の経済状況を抜きにしても、個々のモノへの興味や価値のおき方によって選択できるほど、商品の売買の場は多様化している。選択の余地が多いことは購入者側が試されている部分が当然ある。

実用の有無に関わらず、「手仕事」品というものが、今後経済的にどのような位置付けになっていくのか、生活のどのような場面に侵入し、大量生産の品々と融合していくのか、分離する一方なのか、その動向も日本文化をみていく視点に思う。

単純に「手仕事」を良いとするわけではないが、食料自給率低下の問題などを含め広げて考えていけば、全体を見据えたバランスがモノの世界には必要なのかもしれない。モノには様々な自然・社会的要素が絡んでくるのだと改めて思う。その中で目の前のひとつのモノへの愛着は尊いことだ。






























雨の中、松本の街を散策。松本城近くにあった松本神社。松本市の神社巡りというHPによると、「松本城とは特別な由緒関係にある神社であり、歴代松本城主が祖先を祀った5社と若宮八幡を合祀し『松本神社』と改称された」とある。



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